かめおか みずのき ものづくり
京都・亀岡の小さな美術館「みずのき美術館」と、
まちの職人が出会い、はじまる新しいものづくり。
京都駅から電車で20分、田園風景が広がる町、京都亀岡市。風光明媚な渓谷・保津峡を市境とし、「京の奥座敷」と呼ばれています。ゆるやかな山に囲まれた盆地は、秋から冬にかけた季節には、朝方より霧が立ち込め、小高い山に上がれば、亀岡の町を包み込む雲海を一望することができます。豊かな自然に囲まれているだけでなく、町は、明智光秀が築城した丹波亀山城跡を中心とした城下町が広がり、「秋の祇園祭」と呼ばれる亀岡祭では、古い町並みのあちこちに山鉾が建ち、古都の文化を感じとることができます。
「かめおか みずのき ものづくり」は、京都・亀岡の小さな美術館「みずのき美術館」と、その町の職人との出会いから始まったものづくり。
2012年京都府亀岡市に開館した「みずのき美術館」。開館10周年を迎え、活動拠点である亀岡の企業やメーカーと、2023年から取り組む新しい試み「かめおか みずのき ものづくり」がスタート。「みずのき美術館」が誇るコレクションから、とくに人気の高い小笹逸男、岡本由加、堀田哲明の作品を起用。画用紙やキャンバスの中から飛び出した自由で個性的なモチーフたちが、バッグやポーチ、キッチンクロスやワッペン付きポストカードほか、美味しい焼き菓子になり、より身近に感じてもらえるアートとして生まれ変わりました。
※売上の一部は、「みずのき美術館」の収蔵作品をアーカイブ(保存と記録)する活動等のために使われます。
みずのき美術館
2012年、亀岡で理髪店として使用されていた大正時代の小さな町家を改修し開館した「みずのき美術館」。 名前の由来にもなったみずのき絵画教室で生まれた作品約2万点を収蔵作品として、作品の保存と絵画教室の活動の記録、そしてそれらを展覧会として紹介しています。また開館以降、美術家、建築家、ミュージシャン、ダンサーなどの様々な芸術家を招いて、市民が参加できるプロジェクト型の企画も多数実施しています。
みずのき美術館HP(http://www.mizunoki-museum.org)
みずのき絵画教室の作家たち
みずのき絵画教室
京都府亀岡市にある障害者支援施設「みずのき」で、1964年に入所している人たちを対象として始まった絵画教室。講師の画家・西垣籌一(1912〜2000)が入所者の多様な反応や変化の兆しを感じ、1970年代後半から本格的な美術教育へと転換。国内の美術公募展で入選を果たした後、1990年代に日本のアール・ブリュット(※1)として紹介され、国内外の注目を集めた。現存する2万点を超える絵画作品は、みずのき美術館によって保存、管理されている。
(※1)アール・ブリュット
第2次世界大戦後、価値観の再編成が行われる中、フランスの芸術家ジャン・デュビュッフェによりつくられた言葉。日本語に訳される場合には、「生 (き) の美術」「生 (なま) の美術」とされることが多い。伝統的な美術教育を受けていない作り手によって制作されるそれらの作品は、美術史的な枠組みでは解釈し尽くすことができない。イギリスの美術史家ロジャー・カーディナルは「アウトサイダー・アート (outsider art) 」と訳している。
小笹逸男 Itsuo OZASA
絵画教室の開設当初からのメンバーでみずのきを代表する作品を数多く生み出した。とくに大好きだった猫をはじめ動物のモチーフが多い。
岡本由加 Yuka OKAMOTO
木炭を中心に、アクリル絵具、油彩を用いた重厚で存在感のある力強い絵画を制作した。みずのきの若きホープとして1990年代に活躍した。
堀田哲明 Tetsuaki HOTTA
隣の人を真似て描き始めた「家」が唯一のモチーフとなり、その数1000点にのぼる。使い古して小さくなったクレヨンを好み、大事そうにつまみあげ使用していた。
参画企業紹介
株式会社ドゥオモ
京都・亀岡の刺繍工房。刺繍ブランド「京東都」を立ち上げ、東京ソラマチに実店舗展開。美術館グッズなども多く手がける。
京都府亀岡市篠町王子唐櫃越 1-191
https://www.duomocoltd.com
加藤良株式会社
明治25年、京都市にて袋物工を創業。亀岡市古世町に移転後、和装小物の「縫う技術」を受け継いできた、袋ものを得意とする縫製工場。現在は千代川に本社工場を設ける。
京都府亀岡市千代川町小林下戸4-2
http://www.fukurokyoto.jp
ベーカリー&カフェ ぱすてる
障害者就労支援施設ワークスおーいが運営するベーカリーカフェ。店内には焼きたてのパンとお菓子の香りが広がる。2001年のオープン以来、地域の人気店として親しまれている。
京都府亀岡市大井町小金岐北浦16
https://syokaen.jp/pastel